半歩先を読む日本最大級のマーケティングサイト J-marketing.net



マーケティング用語集
日本版SOX法




日本版SOX法とは

 企業の内部統制強化を目的に、早ければ2008年3月期にも導入される法制度のことです。SOX法とは、米国のSarbanes-Oxley(サーベンス・オクスリー)法という、エンロン事件をはじめとする米国企業の会計不祥事の続出に対して、米国政府が制定し2002年7月に成立した企業改革のための法律のことをさし、同様の法制度が日本でも導入されるため、「日本版SOX法」といわれています。
 日本版SOX法の草案は、2005年7月13日に金融庁の企業会計審議会・内部統制部会が発表しており、パブリックコメントを受けてガイドラインが作成されることとなっています。


内部統制とは

 草案では、内部統制の基本的要素は大きく六つに分類されます。

  1. 統制環境:組織の気風を決定し、組織内すべてのものの統制に対する意識に影響を与えるとともに、他の気温的要素の基礎となるもの
  2. リスクの評価と対応:組織の目標の達成に影響を与えるすべてのリスクを識別、分析、評価し、リスクに対応する一連のプロセスのこと
  3. 統制活動:経営者の命令や指示が適切に実行されることを確保するために定められる方針や手続きのこと
  4. 情報と伝達:必要な情報が組織や関係者に適切に伝えられることを確保すること
  5. モニタリング(管理活動):内部統制の有効性を、継続的に監視、評価するプロセスのこと
  6. IT(情報技術)の利用:内部統制の他の基本的要素が、有効かつ効率的に機能するために、業務に組み込まれている一連のITを活用すること

 米国SOX法で採用されているCOSOキューブというフレームでは、内部統制の基本的要素は1~5までの五つとなっていますが、経営者、取締役、監査人といった内部監査の中心となる役職者のITに関する理解が米国も同様に未熟であるケースが多いということから、日本版SOX法の基本的要素として、「6.IT(情報技術)の利用」が盛り込まれています。


企業への影響

 日本版SOX法が導入されることにより、各企業ともに財務報告への信頼度を高めることが出来ますが、一方で膨大なコスト負担が生じることの経営への影響が懸念されています。先行して導入しているアメリカでは、財務体力に乏しい企業が株式公開を止めて、非公開企業に戻るという事例もあります。
 日本版SOX法の導入にあたっては、負担するコストをいかに抑えて運用していくかということが課題となっています。それに伴い、ITベンダー各社では、業務ソフトやシステムにおける対応の取り組みが始まっており、今後競争が激化していくものと考えられます。



参照コンテンツ


おすすめ新着記事



J-marketingをもっと活用するために
無料で読める豊富なコンテンツ プレミアム会員サービス 戦略ケースの教科書Online


マーケティング用語集

新着記事

2024.11.20

24年9月の「旅行業者取扱高」は19年比で75%に

2024.11.19

24年10月の「景気の先行き判断」は2ヶ月連続の50ポイント割れに

2024.11.19

24年10月の「景気の現状判断」は8ヶ月連続で50ポイント割れに

2024.11.18

企業活動分析 アルファベット(グーグル)の23年12月期は、グーグルサービスがけん引し売上過去最高を更新

2024.11.18

企業活動分析 アマゾンの23年12月期はAWSがけん引し営業利益前年比3倍へ

2024.11.15

24年9月の「現金給与総額」は33ヶ月連続プラス、「所定外労働時間」はマイナス続く

2024.11.14

24年9月の「消費支出」は5ヶ月連続のマイナスに

2024.11.14

24年9月の「家計収入」は5ヶ月ぶりのマイナス

2024.11.13

24年9月は「完全失業率」、「有効求人倍率」とも改善

2024.11.12

企業活動分析 ローソンの23年2月期は、「地域密着×個客・個店主義」徹底し増収増益

2024.11.12

企業活動分析 セブン&アイHDの24年2月期は海外事業の影響で減収も過去最高益を更新

2024.11.11

24年10月の「乗用車販売台数」は2ヶ月連続のプラス

2024.11.08

消費者調査データ No.416 レトルトカレー(2024年11月版) 首位「咖喱屋カレー」、3ヶ月内購入はダブルスコア

2024.11.07

企業活動分析 楽天グループの23年12月期は27期連続増収も、モバイルへの投資で4期連続の赤字

2024.11.07

24年9月の「新設住宅着工戸数」は5ヶ月連続のマイナス

2024.11.06

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 伸長するパン市場  背景にある簡便化志向や節約志向

2024.11.05

企業活動分析 ファンケルの24年3月期算は国内売上がけん引し、3期ぶりの増収増益へ

2024.11.05

企業活動分析 コーセーの23年12月期は、国内好調も中国事業低迷で増収減益に

2024.11.01

成長市場を探せ コロナ禍の落ち込みから再成長する惣菜食市場(2024年)

2024.10.31

月例消費レポート 2024年10月号 消費は緩やかな改善が続いている-政治が消費回復のリスクに

2024.10.31

消費からみた景気指標 24年8月は6項目が改善

週間アクセスランキング

1位 2024.03.13

戦略ケース なぜマクドナルドは値上げしても過去最高売上を更新できたのか

2位 2017.09.19

MNEXT 眼のつけどころ なぜ日本の若者はインスタに走り、世界の若者はタトゥーを入れるのか?

3位 2024.03.08

消費者調査データ カップめん(2024年3月版)独走「カップヌードル」、「どん兵衛」「赤いきつね/緑のたぬき」が2位争い

4位 2024.02.02

成長市場を探せ コロナ禍乗り越え再び拡大するチョコレート市場(2024年)

5位 2021.05.25

MNEXT 眼のつけどころ プロ・マーケティングの組み立て方 都心高級ホテル競争 「アマン」VS.「リッツ」(1)

パブリシティ

2023.10.23

週刊トラベルジャーナル2023年10月23日号に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事「ラーケーションへの視点 旅の価値問い直す大事な切り口」が掲載されました。

2023.08.07

日経MJ「CM裏表」に、当社代表取締役社長 松田の執筆記事が掲載されました。サントリー ザ・プレミアム・モルツ「すず登場」篇をとりあげています。

ENGLISH ARTICLES

2023.04.17

More than 40% of convenience store customers purchase desserts. Stores trying to entice shoppers to buy desserts while they're shopping.

2023.02.22

40% of men in their 20s are interested in skincare! Men's beauty expanding with awareness approaching that of women

2022.11.14

Frozen Foods' Benefits Are Expanding, and Child-raising Women Are Driving Demand

2022.09.12

The Penetration of Premium Beer, and a Polarization of the Growing Beer Market

2022.06.20

6.9 Trillion Yen Market Created By Women― Will Afternoon Tea save the luxury hotels in the Tokyo Metropolitan Area