
2020年の回転寿司市場はコロナ禍で前年割れとなったが、2021年に入って回復傾向がみられ、2021年の「持ち帰り米飯/回転寿司」カテゴリーは売上高は前年比3.9%増、同年4月からの12ヶ月中9ヶ月がプラスとなった(一般社団法人日本フードサービス協会)。

回転寿司は、ファミリーレストランなどの業態の回復が遅れるなか、第1回緊急事態宣言の反動増となった2021年4月に121.9%、以降も前年比プラスベースでの推移が目立つ。各社の業績をみても、業界最大手の「スシロー」が過去最高益、大手の「くら寿司」の国内売上高も過去最高となった。
復活の背景は、感染症対策がしやすいテイクアウトやデリバリーの拡大などだ。さらに来店予約、注文から配膳、会計に至るまで非接触でサービスが完結する仕組みなど感染対策の徹底による安心感が、来店客の復活につながった面もあるだろう。
今後も成長が期待される回転寿司だが、不安要因もある。国際情勢の不安定化によるロシア産水産物の供給不足と価格上昇だ。最大手の「スシロー」は今年10月からの値上げを発表、追随するチェーンも出るとみられている。手軽さを武器に成長してきた回転寿司の今後の戦略に注目だ。
参照コンテンツ
- 消費者調査データ ファーストフード(2022年4月版) 強い「マクドナルド」、コロナで苦戦のグルメバーガーの復権は?
- 消費者調査データ デリバリーサービス(2022年4月版) 利用経験拡大する「出前館」「Uber Eats」、急成長は続くのか
シリーズ 成長市場を探せ
おすすめ新着記事

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。

消費者調査データ RTD(2025年3月版) 「氷結」、「ほろよい」の競り合い続く アサヒの新顔は高いリピート意向
調査で結果は「氷結」が半歩抜け出し、それを「ほろよい」が追う形となった。上位にはロングセラーが目立つが、再購入意向では「アサヒ GINON」が3位に食い込んだ。大ヒットしたレモンサワーに加え、お茶やウメなどのフレーバーの台頭、ベース酒の多様化など新たな競争が生まれている。



