製品ラインのランクに応じて多段階な価格設定をするもので、この価格ランクをプライス・ラインや価格線ということから、価格ライン政策とも呼ばれます。例えば、ネクタイなどで見られる、3,000円均一、5,000円均一、一万円均一などが典型例で、普及品・中級品・高級品といったランクを設定し、そのランクに応じて同一価格を設定する方法です。
プライス・ライニングは、多品種の製品を販売していて、個々の製品について個別に価格設定をするのではなく、製品ライン全体で利益最大化を狙う価格設定をする場合に用いられます。
消費者にとっては、いくつかの価格ランクに分かれていると、自分自身の価値判断と合致した価格帯の製品を容易に選択できる一方、逆に、実勢価格がよく分からない場合は、選択が難しくなることもあります。
プライス・ライニングという視点に立つと、顧客の購買力の格差(ランク)を想定した製品ラインを構築するという切り口が得られます。特に、機能や性能など分かりやすい製品属性によるバリエーション化が可能な場合、様々なバリエーションを同一価格に設定するのではなく、顧客の購買力ランクに適合させたいくつかの価格帯で設定することで、これまでと異なる製品体系を開発することができます。例えば、自動車では同一車種でも多数のグレードが準備されています。
一方、企業としては、高い価格帯を設けることで普及品の安さを訴求したり、安い価格帯をラインナップすることで、高い価格帯の製品の高級感を打ち出すことができます。ただし、設定するそれぞれの各価格帯は、その価格帯における機能や性能、品質、グレードなどを代表するものとなるため、消費者が明確に品質差が認識できるだけの価格差になるよう工夫する必要があります。
無料の会員登録をするだけで、
最新の戦略ケースや豊富で鮮度あるコンテンツを見ることができます。
参照コンテンツ
関連用語
- マーケティング用語集 スキミングプライス
- マーケティング用語集 ペネトレイティングプライス
- マーケティング用語集 オープンプライス
- マーケティング用語集 プライスリーダー
- マーケティング用語集 製品ラインにおける価格設定
- マーケティング用語集 需要の価格弾力性
おすすめ新着記事

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター チョコレートの今後購入意向は80%以上! 意外にも男性20~30代と管理職が市場を牽引
チョコレート商品の値上げが続くなか、成分や機能を訴求したチョコレートが伸びている。今回はどのような人がどんな理由でチョコレートを食べているのか調査した。

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。