価格政策は、大きく分けて、製品の価格設定・価格体系など価格そのものを決める領域と、リベート、アローアンス、再販価格維持、値崩れ対策など価格維持に関する領域のふたつに分けられます。ここでは前者「価格決定の領域」についてご案内します。
製品の最終価格は、一般的には 1) 原価(コスト) 2) 需要 3) 競争の三つの要素で決定されます。
実際には、需要が価格設定幅の上限を規定するものだとすれば、原価(コスト)はその下限となり、競争相手の動向や買い手の知覚価値によって最終価格は決定されるべきということになります。
価格には市場の状況や顧客の心理が反映されるべきです。従来はその考慮が不足がちでしたが、近年では消費者の知覚価値に基づく価格設定を行う企業が増えてきています。
価格決定のもうひとつは、価格体系を決めることであり、建値制からオープン価格制への転換が進んでいます。
建値制とは、メーカーが問屋や小売店にいくらマージンを払うか、流通段階での利潤を見込んで最終小売価格を決めることをさします。実際には、原則として独禁法で再販価格を維持することは認められていないため、メーカー希望小売価格と呼ばれます。
現在では、希望価格と実売価格の乖離による消費者の価格不信感の増大、値崩れを補填するコスト増大、さらには取引制度や流通再編と相まって、メーカーが出荷価格だけを示し、最終消費者にわたる価格を表示しない方式のオープン価格制への移行があらゆる業界で進行しています。
無料の会員登録をするだけで、
最新の戦略ケースや豊富で鮮度あるコンテンツを見ることができます。
参照コンテンツ
関連用語
- マーケティング用語集 製品ラインにおける価格設定
- マーケティング用語集 消費者心理を捉える価格
- マーケティング用語集 ノープリントプライス
- マーケティング用語集 コスト志向型価格設定
- マーケティング用語集 価格差別化
- マーケティング用語集 需要の価格弾力性
おすすめ新着記事

成長市場を探せ キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。 キャッシュレス市場の雄、クレジットカードは3年連続過去最高更新(2025年)
キャッシュレス決済のなかでも圧倒的なボリュームを誇るクレジットカード決済は、2024年、3年連続の2桁成長で過去最高を連続更新するとともに、初の100兆円台にのせた。ネットショッピングの浸透も拡大に拍車をかけている。

消費者調査データ トップは「ドライゼロ」、2位を争う「オールフリー」「のんある気分」
アップトレンドが続くノンアルコール飲料。調査結果は「アサヒ ドライゼロ」が首位を獲得、上位にはビールテイストが目立つなかで、「のんある気分」が健闘している。再購入意向では10位内にワインテイストやカクテルテイストの商品も食い込み、ジャンルとしての広がりを感じさせる。

「食と生活」のマンスリー・ニュースレター 清貧・ゆとり世代が消費を牽引!賞与の使い道は?
近年賃金上昇の流れが広がるなかで、今年の消費を占う意味でも冬季賞与への関心が高まっていた。そこで、冬季賞与がどのように使われているか、「103万円の壁」の問題がどの程度関心を持たれているかを調査した。