価格政策は、大きく分けて、製品の価格設定・価格体系など価格そのものを決める領域と、リベート、アローアンス、再販価格維持、値崩れ対策など価格維持に関する領域のふたつに分けられます。ここでは前者「価格決定の領域」についてご案内します。
製品の最終価格は、一般的には 1) 原価(コスト) 2) 需要 3) 競争の三つの要素で決定されます。
実際には、需要が価格設定幅の上限を規定するものだとすれば、原価(コスト)はその下限となり、競争相手の動向や買い手の知覚価値によって最終価格は決定されるべきということになります。
価格には市場の状況や顧客の心理が反映されるべきです。従来はその考慮が不足がちでしたが、近年では消費者の知覚価値に基づく価格設定を行う企業が増えてきています。
価格決定のもうひとつは、価格体系を決めることであり、建値制からオープン価格制への転換が進んでいます。
建値制とは、メーカーが問屋や小売店にいくらマージンを払うか、流通段階での利潤を見込んで最終小売価格を決めることをさします。実際には、原則として独禁法で再販価格を維持することは認められていないため、メーカー希望小売価格と呼ばれます。
現在では、希望価格と実売価格の乖離による消費者の価格不信感の増大、値崩れを補填するコスト増大、さらには取引制度や流通再編と相まって、メーカーが出荷価格だけを示し、最終消費者にわたる価格を表示しない方式のオープン価格制への移行があらゆる業界で進行しています。
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参照コンテンツ
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